2018/09/24(Mon)
日本三大急潮流
こんにちは、デザイナーの藤原です。
空が随分高くなってきました。もうすっかり秋ですね。
ちなみに秋の空が高く見えるのは、日本上空の気圧配置がそれまでの湿度の高い太平洋高気圧から乾燥した大陸性高気圧に切り替わるためで、乾燥した空気の中では光が屈折しづらく遠くまで届くからだそうです。つまり、秋の空が高く見えるのは日本特有の現象なんですね。
夏の終わり、今治の実家に東京から兄家族が帰省して来たので、両親を連れて今治市の大島に出かけ、来島海峡の急流観潮船に乗ってきました。
日本人は三大○○っていうのが大好きですね。「日本三景」とか「三大祭り」とか「三大河川」とか、あげくの果てには「三大頑固」「三大ドヤ街」なんてのもあるそうです・・・。例に漏れず、来島海峡も「日本三大急潮流」のひとつだそうで(あと二つは鳴門海峡と関門海峡だとか)観潮船に乗ると豪快な渦潮を眼前で観る事ができるそうです。
しまなみ街道・大島南インターで下り、道の駅よしうみいきいき館に到着。海鮮バーベキューで腹ごしらえのあと、目的の乗船場へ。切符売り場の人に14時の便を勧められて、1便前の乗船時刻には船着き場に着いていたのですが、その便の乗船客は定員42名に対したったの4名!「これは貸し切り状態かな~?」とか思っていたら、なんとその30分後の我々の便はほぼ満席状態!なんでも潮の状況によって渦潮の大きさがずいぶん変わるらしく、潮の流れの速い14時の便がこの日のベストなんだそうです。
程なく我々の乗船する観潮船が到着し、ライフジャケットを着用して乗船です。出航すると女性のガイドさんが手慣れたカンジで案内してくれるのですが、すぐに渦潮を観に行くのかと思っていたら、島々を巡りつつ村上水軍の歴史や来島海峡特有の潮の流れによる通行のルールなど、地元出身の私も知らなかったような興味深い話をいろいろ聞くことができました。


乗船場。右奥に懐かしの今治・大島フェリー「第八おおしま」。フェリー便が廃止になった現在はチャーターフェリーとして活躍しているそうです。


出港すると来島海峡大橋の中継地、小島(おしま)に向かいます。


日露戦争でロシア海軍の侵攻に備え建設された28センチ榴弾砲のレプリカ(NHKスペシャルドラマ「坂の上の雲」のロケで使用されたそうです)。小島には実物の砲台跡や兵舎跡が残っています。


中央に見える建物は海上交通センターの潮流信号機。現在の潮の向きと速さが表示されています。来島海峡には4基の電光表示潮流信号機が設置され、海上交通センターではレーダーによる監視が行われているそうです。やはりこの辺りは難所なんですね。


造船の街、今治のドック群。左から檜垣造船、浅川造船、今治造船のドックです。




進水式を終えて艤装中の大迫力の大型貨物船の間に宇和島水産高等学校の実習船「えひめ丸」の姿が。
あれこれ案内してもらったあと、ようやく本日のメインイベント、渦潮の登場です!
「えーと、・・・・・・これ・・かな~?」といったカンジの渦巻きが現れては消え、消えては・・・現れたような、現れてないような・・・。ガイドさんもなんとか盛り上げようとしてくれているんですが、なにしろ縦型洗濯機を上から覗いたような大迫力の渦潮をイメージしていたわけで・・・まあ、自然相手なのでこんな事もあるでしょう・・・。ちょっと残念。あとで調べるとこの日は「小潮」だったようで、大潮の日に来ればこんな事はないんでしょう。なにしろ「日本三大急潮流」なんですからね。


渦潮・・・ガイドさんの表情から類推するところ、今日の渦潮はイマイチだったみたいです。
所要時間50分、ひととおり渦潮を堪能して港へ戻るまでの時間は、この界隈のガイドさん定番「瀬戸の花嫁」の熱唱。・・・まあ、そんなユルいカンジも含めてなかなか楽しめました。
涼しくなってようやく行楽シーズン到来です。観光客気分で秋の来島海峡を満喫できるこのツアー、未体験の方は是非!大潮の日がオススメです。