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2012/08/27(Mon)

「いいカンジ」の場所

こんにちは、デザイナーの藤原です。

ロンドンオリンピックも、そして高校野球も終わって
そろそろ夏も最終盤に差し掛かってきました。
ほんの少しですが朝晩も過ごしやすくなってきましたね。

先日、お盆にお墓参りのため実家のある今治市に帰ったのですが、いつも実家へ帰る途中、気になる風景に出会います。山の中にある神社なんですが、なんというか…「いいカンジ」なんです。

おそらく地元の人以外誰も知らないような、長い石段が山の奥に続いているだけの鄙びた風情の神社が、初めてこの道を通った時からなぜか気になっていたのですが、今回はお盆休みということもあり、ちょっと時間に余裕があったので通りがかりに立ち寄ってみることにしました。


天一神社01*


これがその神社です。鳥居の横に石碑があって「天一神社」と刻まれています。大きな神社ならその謂われみたいなウンチクが書かれた看板があったりするんですが、この小さな神社にはそういう類いのものがなにもなく、誰を奉っているのかもサッパリわかりません。辺りに人影は見えず、結局名前以外なにもわからなかったのですが、私が長い間抱いていた「いいカンジ」の理由は車を降りてみてすぐわかりました。

「石段」です。とにかく石段がすばらしくいい。幅2メートル足らずの手摺りすらないその石段がどのくらい前に造られたのかはわかりませんが、長い間人々が上り下りし雨風にさらされるうちに右に曲がり左にズレ落ちて、これ以上壊れてしまうとその機能さえ失われてしまいそうな、そんな緊張感が絶妙の「いいカンジ」を醸し出しているのです。

そんな「ワビ・サビ感」の漂うたたずまいに暫く魅入ってしまったのですが、せっかくなので石段を上ってお参りすることにしました。山の斜面に張り付いた少し頼りない石段を上りきると見えてくる拝殿は、お世辞にも立派とは言えませんが、こざっぱりと整頓されていて長い間地域の人に大切にされて来たことがよくわかります。

こんな神社がある集落ってなんかいいですよね。おそらくもう少しして稲刈りがおわると小さなお祭りがあったりして、夕暮れ時には提灯に明かりが灯って地域の人たちが集まってきたりするのでしょう。小さな集落のお祭りは集まる人がみんな顔馴染みで、ゆっくりと更けてゆく秋の空を眺めながら一年を振り返ったり…なんて、なんだか微笑ましい光景を想像してしまいました。


集合写真*


みなさんが普段なにげなく通っている近所の路地や、会社や学校の近くにも、「いいカンジ」の場所ってありませんか?

有名な観光地や風光明媚な景勝地でなくても、キモチがほっとする自分だけの場所ってあるもんですよね。日々の生活に追われているとつい見逃してしまいそうな、ちょっと面白いお地蔵さんの表情だったり、畦道のわきでちょっと斜めになったへんろ石(四国ではよく見かけるお遍路さんの道しるべ)だったり…。そういった「いいカンジ」のモノたちって、気持ちに余裕がある時にだけ見えてくるような気がします。

もう少し涼しくなったら、クルマから降りて近所を散策してみませんか?
なにか大切なモノが見つかるかもしれませんよ。

松山ワンコインプロジェクトのポストカードには、そんな普段見逃してしまいがちな、松山の「いいカンジ」の風景がいっぱいです。ポストカードを片手に、その場所を訪ねてみたりすると、なにか新しい発見があるかもしれませんね。

新シリーズの企画・制作も着々と進行しています。ぜひお楽しみになさってください。


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